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本日のプレイリスト:https://spoti.fi/3rHfM6E

 (今回のメンバー:やすお、ナル、ソキウス)  

情報を手っ取り早く「チェック」したい欲望と少し向き合います。

今回のテーマは、このメンバーには切っても切り離せない趣味の一つである「アニメ鑑賞」。その鑑賞の仕方や実状を語ることで見えてきた「ファスト」的なものに対する欲望を、(この番組の大きな柱である)音楽鑑賞という趣味、ないしはイントロクイズという趣味に対する態度と関連付けていくことで、今後の回へ向けての問題意識を明確にしていきます。

まずこの回の前半では、各々のアニメ鑑賞の実状をこの回を収録した2022年春クールを例に語っていきます。

ナルは、毎クール10~15作品を見るのが「通常運転」。アニメを見るきっかけとして「自分の好きな声優が出てる」だったり、「過去見たアニメの続編」といった要素が大きいことを挙げます。

やすおは、ほぼほぼリアルタイム視聴ではなく録画で作品を見ていますが、その作品数は、イントロクイズを始めた頃辺りからはおよそ40作品前後。この大量の作品を視聴することは、「見るというよりも『チェック』するという感覚」だというやすおの言葉は、この回の後半で再度話題の中心に挙がります。

ソキウスは、00年代後半頃は「放映されていた作品の一定割合は見ていた」が、このクールだと3作品程度でした。

【参照:「○○年のオタク」シリーズ[2011年( https://spoti.fi/3lliprX )、2017年( https://spoti.fi/3GyKzHj )]】

次にアニメ作品を視聴する媒体について。

ナルは首都圏から地元に移ったという「生活環境の変化」を挙げ、リアルタイムの地上波TV放送ではなく、dアニメストアといった配信サイトを主に活用していました。

これを受けてソキウスは「地域ごとの(視聴)格差」について言及。

ただナルは「アニメを見れるだけで十分」だと考えているので、この格差に関してはあまり気にしていないようです。

一方この格差についてソキウスは、ナルと同様に配信サイトを活用していることを予め述べた上で、ちょっとした「懐古」話へ。自身がアニメ作品を一定割合視聴していた00年代後半頃と現在との対比を話題として挙げます。

ここでの「時期的な変化」という点でいうとやすおは、出身地の関係で他2人よりかは格差の実感があまりないこともあってか、イントロクイズでの経験がやはり大きい様子。またそのような経験がもたらしたものとして、(特にアニソンにおける)「タイアップ先に寄り添った」楽曲を「より理解」するために作品を視聴するという意識や行動の流れを挙げました。

ここまで確認してきた実状を踏まえてこの回の後半では、作品を視聴する際の態度の話へ進みます。

始めにソキウスは、ある一作品を時間通りに流して視聴するかどうかを質問。これにナルは「通して」見ると答えましたが、やすおは「普通に見」はするものの、「時間が無いとき」に特に「頭を空っぽにしてみる系の作品」を「倍速」で見ることがあるとのこと。ただやすおとしては、倍速視聴をしていると作品を「見てるって言わな」いだろうという感覚も同時に抱いており、この感覚が先ほどの「チェック」という言葉遣いにも繋がっていました。

このやすおの感覚を踏まえてソキウスは、作品を「通しで見たとしても、要所要所で摘まんで見たとしても」「ストーリーや細かな表現にそこまで気を配らず」見ることが出来てしまう作品と自身が判断したとき、「その作品から得られるもの」を「手軽に」「得たい」という「欲望」が現に生じているということ、そしてその「欲望」が自身のアニメ視聴習慣に影響を及ぼしていると告白。「欲望」が発現する、先ほどの例とはまた違う例もここで合わせて提示されます。

この「欲望」との関わり方についてやすおは、作品を「全部見ないと(作品内で表現されている内容は)分からない」し、「内容を知るためには」「全部見なければいけない」と考えているので、最初から作品の内容を熟知しているのでなければ、掻い摘んで見るという態度はそもそも自身の想定には入っていないとのことでした。

ここでソキウスは、この「欲望」と関連がある時事的なキーワードとして「ファスト映画」の例を紹介。

(なお今回の対話では、ファスト映画のようなもので満たすこと「も」出来てしまう欲望それ自体の話がメインとなっているので、ファスト映画が及ぼした法的な損害の観点は考察の対象外としています。今回挙がる論点も含んだファストなコンテンツ消費に関する詳細は[稲田 2022]を参照してください。)

ある映画作品の結末までを、その該当作品を違法な形で使用しながら数分から十数分程度の動画にまとめたものがファスト映画であるという説明を加えたあと、ソキウスはファスト映画的なものを消費したいという意識についてどのように考えたかを2人に尋ねます。

ナルはファスト映画が「云わんとしていることは分かる」と答え、それと併せて、ファスト映画が直接的に目指すものとは微妙に違う「さささっと見る」ナルの行為がここで初めて明らかに。

やすおもファスト映画のあり方を「分からなくはない」としつつも、「見るならちゃんと理解したい」し、「全部見ないと良い悪いも判断できない」とのこと。

ソキウスは、欲望をファストなもので満たそうとする態度とは異なる次元に、作品に対する理解と良し悪しの判断の可能性が存在するというこの考え方は、イントロクイズへ向ける態度の話題にも繋がるかもしれないという自身の意見を残してこの回を終えました。 

【本日の一曲】

毎回最後に1分以内で今紹介したい1曲を持ち回りで語ってもらう「本日の一曲」。 

今回はやすおが、推しの最新作を紹介。  

これまでの音楽的な路線とはまた違った一面を見ることが出来ます。

【今回のキーワード】

アニメ鑑賞/動画配信サイト/アニメ視聴の地域格差/作品の「チェック」/ファスト映画/作品の理解/作品の良し悪しの判断/麻倉もも

【参考資料】

稲田豊史, 2022, 『映画を早送りで観る人たち:ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』光文社新書.