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今回のテーマは「子どもの権利条約」です。

今回はかなり社会科的内容が含まれているので講義調で!(内海)

私たちが生きている今の日本は「人権」を社会の土台としてもっている社会です。

人権というのは「生まれながらに全ての人間は自由で平等である」という考えのことですが、歴史的にみれば「人は生まれながらに不自由で不平等」な社会を形成してきました。時間的な長さからいえば、もしかしたら「生まれながらに不自由で不平等」な社会を作ることこそが、人類の本質なのかもしれません。

ところが、階級と王政を打倒したアメリカ独立革命とフランス革命以降、まずその地域で(白人男性という限定つきながらも)「人権」というルールによって社会を運営するというやり方がはじまります。恐らくホモサピエンスが誕生して、初めて生まれたタイプの社会です。

さて、世界史を勉強していると、ここから「近代」という歴史区分に入るために、まるで世界全体が人権国家へ移り変わった的な錯覚に陥りますが、もちろんそんなことはなく、当時はあくまで米国と西欧のローカルルールです。地球上の大部分では「人は生まれながらに不自由で不平等な社会」が営まれています。

このローカルルールであった「人権」を世界全体のルールにするべく第二大戦後に「世界人権宣言」が出され、その内容をもとに後年、国際人権規約へと条約化されます。ただ、ラジオの中でも話している通り、米国においても西欧においても「人は生まれながらに自由で平等」と言っておきながら、黒人や女性や移民には「人権」がないような状況が実際にはありました。

ここから「人は生まれながらに自由で平等」という時の、「人」にどういう人たちを入れていくのか、という戦いが始まります。公民権運動(人種差)や、ウーマンリブ運動(性差)などは、その象徴ですが、「子どもの人権」という「年齢差」への配慮もこの流れに含まれてきます。「人権」という考えが様々な地域に広まり深まっていく過程で、最初は大雑把だった「人権」概念が「微分」され、より精緻なものへとつくりかえられていく過程とも言い換えられます。この流れは現代も続いていて、この10年で日本においても広まってきたセクシャルマイノリティへの制度差をなくす(パートナシップ条例や同性婚)動きなどは、まさに誰を「人」として含めるのかという戦いと言えるのではないでしょうか。

ということで、古豊さんの団体はこちらです。

NPO法人子どもの権利オンブズパーソン

http://komb-nagasaki.sakura.ne.jp/index.html

子どもの権利条約(ユニセフHP)

https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig.html

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