フランス近代の音楽の進捗語るに於いて、バレエ・リュス(Ballets russes)の主宰者セルゲイ・ディアギレフの存在の重要性は見逃せません。
彼がまだ若い作曲家たちに依頼した作品といえば、ストラヴィンスキー『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』、ドビュッシー『遊戯』、ラヴェル『ダフニスとクロエ』、ファリャ『三角帽子』など、枚挙に暇(いとま)がありません。しかも音楽史上、画期的な作品となると曲ばかりで、彼の、その若い才能をいち早く見抜く先見の明には驚くばかりです。
そんなディアギレフが、まだ本格的なオーケストラ作品を書いていなかった24才のプーランクに作曲を依頼します。しかも「筋書きは特にない‥」という条件提示は、その期待値の大きさが表れています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第3曲 ラグ・マズルカ ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団