「千ラジ」では『グノーシス 陰の精神史』以来のグノーシス本。この本は訳者の秋山さと子(本名は達子)さんがすごくて、《曹洞宗の寺に生まれ、ジャズシンガー、DJ、デザイナーをへて35歳で駒沢大学で仏教を修め、1964年に渡欧してユング心理学研究所で元型と集合無意識をめぐる心理学研究に携わり、帰国ののちは河合隼雄(141夜)とともに日本におけるユング派からの発言を縦(ほしいまま)にした》ヤバ人です。日本曹洞宗といえば、それまでの仏教に大鉞をふるった道元が拓いたものですから、その意伝子が秋山さんをしてグノーシスらせたのかもしれません。
【千夜千冊】1775夜『グノーシスの宗教』