当夜を編読しながら、作家の西加奈子さんが『ユリイカ』2020年11月号のインタビューで語っていた「システムを疑うことは、とても体力が必要」ということを思いだしていました。《多くの詩人はアイデンティティが流動しているけれど、その宙吊りのふつつかな状態を支えようとしているからこそ、何かのケイパビリティ(才能・力量・手腕)を発揮できる》。西さんの言う体力とは、きっと《宙吊りのふつつかな状態を支えようと》する、いわば「編集体力」のようなもので、そこにこそ突起した認識力や表現力が萌芽するのでしょうね。
【千夜千冊】1787夜『ネガティブ・ケイパビリティ』