第36回『財閥のマネジメント史から学ぶ多角化経営と企業の繁栄(前編)』というテーマで株式会社エービーエフキャピタルのメンバーが多角的な視点で語ります。
【ハイライト】
・三越、伊勢丹、高島屋の社名の由来は?
・海外の財閥企業の実態とは?
・財閥企業vsコングロマリットディスカウント
・現代にも残る財閥由来の企業について
・江戸から明治維新への移行での「成り上がり」の実態について
番組で取り上げました『財閥のマネジメント史 誕生からバブル崩壊、令和まで』(武藤泰明著 日本経済新聞出版)のリンクはこちらです。
https://www.amazon.co.jp/dp/4532324513
はじまりは一冊の本。財閥を知れば、企業が見えてくる
今回の『ファンドマンの日常』は、伊達が読んだ一冊の本『財閥のマネジメント史』からスタート。三井・三菱・住友といった財閥の発展過程や、意外な社名の由来にまつわるコラムをきっかけに、グループ全員で財閥史・企業文化についてディスカッションが展開されました。
本の中で取り上げられていたのは、百貨店や総合商社、製造業など日本を代表する企業たち。実はその多くが、江戸・明治から続く「財閥」という土台を持っているという事実。「え、あの会社がそんなルーツだったの?」という驚きの連続が語られていきます。
三越の起源は“越後屋”?社名に隠された江戸商人の美学
中でも驚きが大きかったのは、三越のルーツ。三井が最初に開いたのは「越後屋」と呼ばれる呉服店で、やご(屋号)として“越後”という字を借りたことが三越の名の始まり。一方で伊勢丹の由来は、「伊勢出身の丹治さん」の店という非常に人間味のあるエピソード。
また高島屋の起源は1831年の京都で始まった古着屋。三越・伊勢丹・高島屋という現代の百貨店が、もとは全く異なる地方商人の“屋号”から生まれたことが、企業名の背後にある文化的厚みを感じさせます。
経営と所有の分離が、財閥を財閥たらしめた
財閥が長期にわたって生き残った大きな理由として語られたのが、「経営と所有の分離」という構造。清濁併せ呑むように、相続によって細分化せずに資本を集中。経営は実務部隊に任せることで、次世代の経営者不在によるリスクを防ぎ、組織の持続性を高めていました。
その結果、社内には“社内で出世したい”というモチベーションが醸成され、組織内キャリアが成立。この構造が「財閥系サラリーマン」の登場につながったという視点も、非常に興味深いものでした。
一気にやってきた近代化、アジアに財閥が多い理由
ディスカッションは、なぜアジアに財閥が多いのかという問いにも発展。欧州では産業革命が徐々に進んだのに対し、アジアは鎖国状態から突如として近代文明が流れ込んできた。そのタイミングで“金と商売の勘”を持つ者たちが、多様な産業を抱えたコングロマリット企業を形成したことが、アジア型財閥の源流にあると考察されました。
たとえばサムスンやチャロン・ポカパン、そして日本の三井・住友・三菱。いずれも「多角的に持ちすぎ」ではあるが、その分景気変動に強く、長く生き延びる力を持っていたというのが彼らの分析です。
消えた財閥たちと、今も残るその“DNA”
戦後の財閥解体によって多くが表舞台から姿を消しましたが、その系譜はいまも企業グループとして息づいています。中でも話題になったのが、かつて三井・三菱・住友よりも巨大だったという鈴木商店。札幌ビール、神戸製鋼、昭和シェル、IHIなど、今も名を残す企業が鈴木商店系列だったと聞き、一同驚きを隠せません。
また、地元の「地場財閥」の話も登場。与那郷の旧家が野村證券を支援したというエピソードからも、地方にも存在した“地域の財閥”の影響力が垣間見えました。
そして「富士電機」の名前の由来に、全員が絶句する
最後に出てきた衝撃のネタが、「富士電機の社名の由来」。富士山ではなく、古川電機の“フ”とシーメンス(ドイツ)の“ジ”から“富士”が誕生したという驚きの事実に、全員が「絶対わからん…」と絶句。
このほかにも、「総合商社が日本独自で発展した理由」など、多くの“え、そうだったの?”が飛び出した濃密な一回となりました。
~お知らせ~
株式会社エービーエフキャピタルのメンバーがそれぞれ日々気になる事、書籍、日々の悩み等何気ないテーマから、経営戦略や投資実行等の広くビジネスに生かせる話題に至るまで、戦略コンサルタント、ファイナンスプロ、データアナリストのプロフェッショナルが多角的な視点で語るトーク番組です。
パーソナリティー:
熊原 充志(株式会社 ABF Capital代表取締役)
東京大学理学部物理学科卒業後、同大学院理学系研究科物理学専攻に進学し、宇宙物理学を専攻。
新卒でBCGに入社、メーカー・ファンド・製薬・通信会社などの業界を担当。
その後アドバンテッジパートナーズに入社し、多様な領域への投資を実行。
伊達 慶明(株式会社 ABF Capital取締役)
京都大学農学部応用生命科学科卒業後、同大学院農学研究科に進学し、生命科学を専攻。
新卒でBCGに入社、通信・メディア・物流・電力・産業材など幅広い業界を担当。
一貫してビックデータ・地図を扱った戦略の立案を行う。
中野 拓真(株式会社 ABF Capital取締役)
東京大学理学部地球惑星物理学科卒業後、同大学院理学系研究科地球惑星科学専攻に進学し、気象学を専攻。
新卒でBCGに入社、小売・エネルギー・通信会社などの業界を担当。
経営戦略の立案だけでなく、成果の創出までクライアントを幅広く支援。
蔡 亮成(株式会社 ABF Capital取締役)
東北⼤学⼯学部機械知能航空⼯学科、同⼤学院⼯学研究科に進学し、エネルギーシステムマネジメントを専攻。
新卒でBCGに入社、⼩売・通信・保険・パブリックセクター等幅広い業界のプロジェクトを担当。
事業戦略及び事業計画策定のコンサルティング、マーケティングを⽀援。
番組プロデュース:株式会社サンキャリア
カバーアート制作:小野寺玲奈
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