第37回『財閥のマネジメント史から学ぶ多角化経営と企業の繁栄 (後編)』というテーマで株式会社エービーエフキャピタルのメンバーが多角的な視点で語ります。
【ハイライト】
・明治14年の政変がもたらした慶応大学出身が財界で多く活躍している理由
・住友が多くの官僚の天下りを受け入れている真の理由とは?
・元財閥企業の英語表記の起源について
・100年後200年後に日本の産業の中心となる企業はどこか?
・企業経営における「経営と所有の分離」の徹底と「資本の集中」について
・職人の世界における100年企業を創り出すために重要な事
番組で取り上げました『財閥のマネジメント史 誕生からバブル崩壊、令和まで』(武藤泰明著 日本経済新聞出版)のリンクはこちらです。
https://www.amazon.co.jp/dp/4532324513
明治の政変がつくった、意外な「慶應ブランド」の始まり
今回の『ファンドマンの日常』は、伊達が読んだ一冊の経営史本『財閥のマネジメント誌』をテーマに、歴史と企業経営を語る回。
きっかけは明治14年の政変。大隈重信が政府を辞して民間に下り、彼と親交のあった福澤諭吉が育てた慶應義塾の門下生たちが多数民間に流れたことで、慶應出身者が政財界に広く根を張るようになったという。いまや“ビジネスエリートの代名詞”とも言える慶應ブランドの一端が、実は早稲田の創設者・大隈重信の行動から生まれていたというのは驚きの視点です。
「社名の裏側」にこそ、企業の哲学が宿る
話はさらに企業名の成り立ちへと展開。たとえば三越の始まりは、三井が日本橋に構えた「越後屋」という呉服店。その“やご(屋号)”が「三越」へと変化していった経緯。また、富士電機の“富士”は富士山ではなく、古川電工の「フ」× シーメンスの「ジ」= 富士という組み合わせに由来する、という驚きの事実も紹介されました。
そのほかにも、三菱商事の英語名が「Mitsubishi Corporation」と極端にシンプルなのは、戦後の海外展開の中で“グループとしての信用力”をアピールするためだったなど、社名ひとつとっても当時の戦略が色濃く反映されていることが語られます。
なぜ財閥はしぶとく生き残ったのか?「所有と経営の分離」に学ぶ
三井・三菱・住友といった財閥が時代の荒波を乗り越えて存続し得た背景には、「所有と経営の分離」が大きく関わっていたという分析が展開されました。相続で分割されるのではなく、資本を一箇所に集めて組織を継続させる仕組み。さらに経営はサラリーマン層に任せることで、創業家の子孫が事業に関わらずとも組織は回る。この仕組みが、長期的な視点での企業存続を可能にしてきたのです。
住友が関西圏という地理的不利を克服するために中央官僚の天下りを積極的に受け入れ、情報網を強化していたという逸話からも、「構造設計による生存戦略」の重要性がうかがえます。
鈴木商店、川崎財閥…知られざる“消えた巨大企業”の末路
話題は消えていった財閥の話へと移ります。なかでも象徴的だったのがかつて三井・三菱を上回る規模を誇った鈴木商店。第一次世界大戦後の不況で本体は消滅しましたが、現在も神戸製鋼・IHI・札幌ビール・昭和シェルなど、その流れを汲む企業は数多く残っています。
また、川崎重工を擁する川崎財閥なども話題に。明治・大正の時代に創業されたこれらの企業群が、戦後の解体を経ても形を変えて現代に息づいているという事実に、一同は深い驚きと納得を覚えました。
「100年企業」はどうつくる?文化を残す、社会に支えられる
後半では、現代の私たちが“100年企業”をどうつくるかというテーマに。京都の老舗料亭や工芸店のように、名前を受け継ぐ「襲名制度」や文化の継承はひとつのヒント。ただしそこには、利益だけでなく地域や社会にとって“なくなったら困る存在”になることの大切さも浮かび上がります。
「職人の技は、命に必ずしも必要ではない。だからこそ、価値をどう見せるかが重要」「伝統芸能や老舗企業がしぶとく生き残る背景には、“応援したくなる存在”であることがある」こうした考察を通じて、経営とは社会との関係性のデザインであるという深い気づきが得られました。
~お知らせ~
株式会社エービーエフキャピタルのメンバーがそれぞれ日々気になる事、書籍、日々の悩み等何気ないテーマから、経営戦略や投資実行等の広くビジネスに生かせる話題に至るまで、戦略コンサルタント、ファイナンスプロ、データアナリストのプロフェッショナルが多角的な視点で語るトーク番組です。
パーソナリティー:
熊原 充志(株式会社 ABF Capital代表取締役)
東京大学理学部物理学科卒業後、同大学院理学系研究科物理学専攻に進学し、宇宙物理学を専攻。
新卒でBCGに入社、メーカー・ファンド・製薬・通信会社などの業界を担当。
その後アドバンテッジパートナーズに入社し、多様な領域への投資を実行。
伊達 慶明(株式会社 ABF Capital取締役)
京都大学農学部応用生命科学科卒業後、同大学院農学研究科に進学し、生命科学を専攻。
新卒でBCGに入社、通信・メディア・物流・電力・産業材など幅広い業界を担当。
一貫してビックデータ・地図を扱った戦略の立案を行う。
中野 拓真(株式会社 ABF Capital取締役)
東京大学理学部地球惑星物理学科卒業後、同大学院理学系研究科地球惑星科学専攻に進学し、気象学を専攻。
新卒でBCGに入社、小売・エネルギー・通信会社などの業界を担当。
経営戦略の立案だけでなく、成果の創出までクライアントを幅広く支援。
蔡 亮成(株式会社 ABF Capital取締役)
東北⼤学⼯学部機械知能航空⼯学科、同⼤学院⼯学研究科に進学し、エネルギーシステムマネジメントを専攻。
新卒でBCGに入社、⼩売・通信・保険・パブリックセクター等幅広い業界のプロジェクトを担当。
事業戦略及び事業計画策定のコンサルティング、マーケティングを⽀援。
番組プロデュース:株式会社サンキャリア
カバーアート制作:小野寺玲奈
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