第52回『ヘッジファンドの歴史と投資ファンドの世界 (前編)』というテーマで株式会社エービーエフキャピタルのメンバーが多角的な視点で語ります。
【ハイライト】
・新メンバーがABFにジョインしました!
・ヘッジファンドの由来とは?
・世界初のヘッジファンド設立者アルフレッド・ジョーンズについて
・ファンド会社の投資手数料の由来は『フェニキア人』に遡る!?
・ファンダメンタル重視、逆張りの天才投資家マイケル・スタインハルトについて
・投資手法の一つ「ブロック取引」とは?
ヘッジファンドは“リスク回避”の象徴だった?──原点に立ち返る
「ヘッジファンド」という言葉には、ハイリスク・ハイリターンというイメージが付きまとうが、その起源はまさに“ヘッジ(=リスク回避)”にあった。世界初のヘッジファンドは、1949年にアルフレッド・W・ジョーンズによって創設された。彼は統計的手法の素養があったわけではなく、むしろ反ナチス運動など異色のバックグラウンドを持っていた人物だが、ロング(買い)とショート(売り)を組み合わせることで、リスクを抑えながらリターンを追求する「ヘッジファンド」の基本構造を築いた。
ジョーンズのもう一つの革新が、現在のファンド業界でも標準となっている「成功報酬20%」の仕組みだ。これは地中海貿易で栄えたフェニキア人の商慣習からヒントを得たもので、現在のキャリード・インタレストの源流でもある。彼のファンドは年率30〜40%という驚異的なリターンを出し続け、多くの投資家から信頼を集めた。
スタインハルトが示した“逆張り”の可能性とブロックトレードの誕生
1970年代に入り、ジョーンズのような統計的手法は次第に通用しなくなっていく。オイルショックや日本の台頭により、アメリカ経済の絶対的優位が崩れ始めた中、登場したのがマイケル・スタインハルトである。彼は不況下でも成果を出す「ショート中心のファンダメンタル分析」に加え、今日の大口取引で重要な「ブロックトレード」という概念を先駆的に活用した人物だ。
スタインハルトの投資スタイルは、部下が提案する際に必ず一度否定し、その後の反論の筋が通っていれば一気にリスクを取るというものだった。アソシエイトが「1万株買うべき」と言えば「今すぐ3万株買え」と即断できる胆力と合理性を兼ね備えていた。彼のファンドは短期間で莫大な利益を上げたが、そのリスク耐性の限界と相場の不安定さから、1980年代前に業界を去ることとなる。
“ヘッジ”から“統計戦争”へ──数理モデルとクオンツの時代へ
スタインハルトの引退後、ヘッジファンドは新たなフェーズへと進む。単純なロング・ショート戦略やブロック取引だけではなく、数理モデルを駆使する“クオンツ型”運用が台頭する時代だ。複雑な金融工学や機械学習を用いたアルゴリズム取引が主流となり、リスク管理やポートフォリオ最適化も高度化した。ファンド業界内でも、従来の「勘と経験」では太刀打ちできない領域が拡大しつつある。
ABF Capital のメンバーは「ファンド運用者として、どの時代のどの手法が適しているかを学ぶことが、今後の運用戦略に大きなヒントを与える」と振り返りつつ、ヘッジファンドの進化は“リスクを取る技術”の進化でもあったと語る。
永松、ABF Capital に加入!新たな視点に期待
本回では新メンバー・永松がABF Capital に参加。元エンジニアという異色のバックグラウンドを持ち、今後この対談シリーズでも新しい視点をもたらしてくれることが期待される。「ファンドの現場」と「工学的思考」の交差点から生まれる化学反応にも注目が集まる。
~お知らせ~
株式会社エービーエフキャピタルのメンバーがそれぞれ日々気になる事、書籍、日々の悩み等何気ないテーマから、経営戦略や投資実行等の広くビジネスに生かせる話題に至るまで、戦略コンサルタント、ファイナンスプロ、データアナリストのプロフェッショナルが多角的な視点で語るトーク番組です。
パーソナリティー:
熊原 充志(株式会社 ABF Capital代表取締役)
東京大学理学部物理学科卒業後、同大学院理学系研究科物理学専攻に進学し、宇宙物理学を専攻。
新卒でBCGに入社、メーカー・ファンド・製薬・通信会社などの業界を担当。
その後アドバンテッジパートナーズに入社し、多様な領域への投資を実行。
伊達 慶明(株式会社 ABF Capital取締役)
京都大学農学部応用生命科学科卒業後、同大学院農学研究科に進学し、生命科学を専攻。
新卒でBCGに入社、通信・メディア・物流・電力・産業材など幅広い業界を担当。
一貫してビックデータ・地図を扱った戦略の立案を行う。
中野 拓真(株式会社 ABF Capital取締役)
東京大学理学部地球惑星物理学科卒業後、同大学院理学系研究科地球惑星科学専攻に進学し、気象学を専攻。
新卒でBCGに入社、小売・エネルギー・通信会社などの業界を担当。
経営戦略の立案だけでなく、成果の創出までクライアントを幅広く支援。
蔡 亮成(株式会社 ABF Capital取締役)
東北⼤学⼯学部機械知能航空⼯学科、同⼤学院⼯学研究科に進学し、エネルギーシステムマネジメントを専攻。
新卒でBCGに入社、⼩売・通信・保険・パブリックセクター等幅広い業界のプロジェクトを担当。
事業戦略及び事業計画策定のコンサルティング、マーケティングを⽀援。
番組プロデュース:株式会社サンキャリア
カバーアート制作:小野寺玲奈
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