今週も、まとめ編をお届けしています。
<シャドー概念>
月:アクションはシャドーか?
アクションを影に隠れた技術=シャドーという概念からまとめる。
シャドー概念とは、アクション表現の表からは見えない領域や、当事者にさえ意識されていない領域の技術に関する概念のこと。
その領域が意外にも広いため、アクションをシャドーという観点からまとめてみる。それが今週のテーマ。
シャドー・ワークとは?
火:シャドー・ムーブ
シャドー・ムーブとは、本来シンの動きの影に隠れたカラミの運動と、この技術性のこと。(アクティブとパッシブ)
デリバリング自体は、シャドー・ムーブ。シンに掛かって行く動きの重要性は、プロにしかわからない。
シャドー・ファンクションは、アクティブ・ムーブとパッシブ・ムーブに付帯する機能。
見栄えがして、やりやすい、やられやすい、何をやっているかわかりやすい、という四つの機能を併せ持っているという特徴がある。
水:シャドー・アビリティ
シャドー・アビリティとは、アクション・アビリティのもととなる具体的能力としての、相手に合わせる力。
それはパッシブ・ムーブによって培われるものである。
だからパッシブ・ムーブを洗練させることによって、そこに付随する形で現れる。
例えば、合わせる力はシャドー・アビリティだが、そこには相手の動作リズムを読む力が要求される。それは単なるタイミングの問題だけではない。それはあくまでも結果であり、運動構造的同期が高度なシンクロを可能にする上級テクニックである。
アクション・アビリティは、このシャドー・アビリティを抽象化させ、技術性だけを取り出したもの。=カラミをやらなくとも、習得できるように工夫されている。
木:シャドー・テクノロジー
ある技術に対する独自の対応法がシャドー・テクノロジー。
だから工夫され、開発された独自の技術性といえる。
わかりやすく言うなら、パフォーマンスを高度化させるための工夫に相当するもの。
例えば、デリバリング自体はシャドー・ムーブだが、その技術への対応法は、シャドー・テクノロジー。
他にも、アクション独自の打撃法としてニ種類開発済み。
金:シャドー・アクション+まとめ編
アクション表現の中で、光が当たっていない=影に隠れて見えない領域が、シャドー・エリアである。
そのシャドー・エリアにおける具体的な動作や技術など実体を伴うものがシャドー・アクション。
その影に隠れた領域が多いからこそ、アクションとはシャドーであり、だからこそアクション=シャドー・アクションとも考えられる。
つまりアクションとは、本来シャドー・アクションであるという説が成り立つ。
この説を立てることによって成立するのがシャドー概念である。
つまりコンテンポラリー・アクションのように、表層を模倣し、運動として組み立てることはできても、「何かが違う」という感覚と、物足りなさは拭えない。
その不足分、欠如感の根拠が、シャドー概念の不完全性であることが、不可視の了解=シャドー・エリアを明らかにすることによって見えてきたのではないだろうか。
ただし、アクション=シャドー・アクション説は、現状としては保留にしておく。