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ラジオ原稿 年金ってどんなもの?

先日、昨年に続いて年金アドバイザー3級試験を受けてきました。

なんとか自己採点で合格ラインは超えましたが、予想をしていたよりも難易度が高かったのと、ミスが多く目立ち、点数は伸び悩んだ結果となりました。

今回は、社労士受験に続いて年金アドバイザーの試験で、年金について深彫をすることができたので、総まとめとして、日本における年金制度や年金と名前がついている社会保障給付をまとめて紹介をしていきます。

主だった法令は、国民年金保険法、厚生年金保険法、確定拠出年金法、国民年金基金法、労働災害保険法などが準拠法となります。

年金は主に受給権者の老齢、障害、死亡に関して補償を行う制度です。

最初に老齢に関する給付についてお話をします。

では、質問ですが、ゆきさんは高齢者になった際に受給できる年金制度はどのような物があると思いますか?

高齢者には老齢基礎年金、老齢厚生年金、付加年金、国民年金基金の老齢給付、確定給付企業年金と確定拠出年金の老齢給付があります。

では、それぞれについて解説をしていきます。

・国民年金法の老齢基礎年金は保険料を10年間納付した場合に受けられる給付で65歳になると受給できます。

・厚生年金法の老齢厚生年金は、老齢基礎年金を受給する権利がある人が厚生年金に1ヶ月以上加入することで受給することができます。

・付加年金は、自営業者として国民年金の第1号被保険者として毎月400円を保険料に加えて支払うことで、老齢基礎年金を受給できる際に毎月200円上乗せして受給することができる給付です。

・国民年金基金の老齢給付は自営業などの第1号被保険者が月額68000を上限として、自分の支払った金額に対して、老齢基礎年金の受給と同時に支給が開始されます。

・確定給付企業年金は、会社が従業員と一緒に掛け金を拠出して、規約で定めた年齢に達すると受給することができます。

・確定拠出年金は企業型と個人型があり、企業型は従業員の掛け金を補助し、個人型は加入者自身が掛け金を支払います。60歳以降で給付を受けることができます。

次は障害を負った場合の給付について説明をします。

障害を負った場合は、国民年金、厚生年金、確定拠出年金、労働災害補償保険から年金の支給があります。

・国民年金では、障害基礎年金として傷病の初診日から1年半を経過した障害認定日に20歳以上である場合に給付が受けられます。1級、2級の等級があり、およそ年額で78万円ほどが障害基礎年金2級の金額となっており、1級は2級の1.25倍の金額がもらえます。

・障害厚生年金は、初診日に厚生年金の被保険者であった人が、障害認定日に1〜3級の障害等級に該当した際に受給できます。加入月数が300月に満たない場合は300月の最低保証があります。

・確定拠出年金は掛け金と掛年数に対する障害給付が、障害認定日から75歳に達する日の前日までに受給が可能です。

次に業務上の災害で障害を負った場合に給付できる労働災害補償保険から受給できる障害に関する年金について説明します。

・傷病補償年金は、業務上のケガの治療を開始して1年6ヶ月が経過した場合に受給でき、1級から3級にわかれています。1級の場合は給料によって算定された給付基礎日額の313日分が受給できます。

・傷病特別年金は、労働災害補償保険の社会復帰促進等事業という被災した労働者の生活を補助するための仕組みから、特別支給金として支給されます。1級〜3級までの補償があり、傷病補償年金を受給できる場合に、1級では114万円が年間で支給されます。

・障害補償年金は、業務上のケガを負い、治療を行ったうえで、症状が安定し、障害等級に該当する状態となった場合に支給されます。1級から14級に分かれており、1級〜7級は年金、8級〜14級は一時金として支給されます。

・障害補償年金前払い一時金は、等級に応じて障害補償年金を受けることができる場合に、一定の金額を前払いで受給できる制度です。1級の場合はお給料より算定された給付基礎日額の200日〜1340日分を前払いで受給できます。

・障害特別年金は、社会復帰促進等事業の特別給付金であり、障害補償年金を受給できる場合に障害等級1〜7級に応じた金額を受給できます。

最後は死亡したときの補償について説明をします。

死亡した際には、国民年金、厚生年金、国民年金基金、確定拠出年金、労災法から補償があります。

・国民年金では、遺族基礎年金と寡婦年金の給付があります。

・遺族基礎年金は子供か、子供のいる配偶者に給付されます。

・寡婦年金は、死亡した自営業者などの第1号被保険者と10年間一緒に暮らしていた配偶者が60歳から65歳までもらえます。

・厚生年金では、遺族厚生年金がもらえます。

・遺族厚生年金は、老齢厚生年金の3/4を死亡した被保険者の配偶者、子供、孫、祖父母が受給できます。遺族厚生年金は厚生年金の加入期間が300ヶ月に満たない場合は300ヶ月として計算されます。

・確定拠出年金と国民年金基金では、死亡した場合に一時金を受給することができます。

・労働災害補償保険からは、障害補償年金差額一時金、障害特別年金差額一時金、遺族補償年金、遺族補償年金前払一時金、遺族特別年金が受給できます。

・障害補償年金差額一時金は、障害補償年金を受給していた人がなくなった場合に受給でき、定められた受給した障害補償年金の金額が、定められた金額に満たない場合に差額を受け取れます。給与から換算した給付基礎日額の1級の1340日〜7級の560日分まで定められています。

・障害特別年金差額一時金は、定められた障害補償年金の差額を受け取れる人が、労災法の特別支給金として受給できる給付です。受給できる金額は障害補償年金差額一時金と同じです。

・遺族補償年金は、業務上の事故や怪我で死亡した労働者の、配偶者、子供、父母、孫、祖父母、兄弟が受給できます。子供、孫、兄弟は18歳まで、旦那、父母、祖父母は60歳以上など、年齢要件が定められており、受給者の人数によって給付額が変わります。

・遺族補償年金前払一時金は、遺族補償年金を受け取れる遺族が給付基礎日額の200日〜1000日分までの金額を選択して前払いで受給できる給付です。

・遺族特別年金は特別支給金として受給できる給付です。給付額は遺族補償年金と同じになっており、受給できる遺族の数によって4段階に分けられています。

さて、いかがでしたか?

今回は「年金」と名称のついた給付を紹介したのですが、同じような名称ばかりで、最初にテキストを見たときは意味がわからなくて混乱していました。

せめて労災法と社会保障の年金では名称をわかりやすく別にしてもらえれば、まだ理解もしやすいように思います。

今回お話した給付以外にも、一時金や、子供や配偶者がいる場合に受給できる加算など、たくさんの給付があります。

社労士受験生以外であっても、年金給付について知識を持っておくことは大切だと思いますので、気になった方はしらべてみてくださいね。

今回はフォーサイト、社会保険労務士テキストより、国民年金保険法、厚生年金保険法、社会保険に関する一般常識、労働災害補償法を参考にしています。