Listen

Description

こんにちは、パターン認識ラジオリスナーの皆さん。今日は、異常検知の世界について深く掘り下げていきたいと思います。

 

異常検知は、その名の通り、異常なデータや行動を特定するプロセスであり、監視システムや異常行動検知など様々な場面で重要な役割を果たしています。ここで、「異常」とは、一般的なパターンから大きく逸脱したものを指します。

 

異常検知は主に統計的手法、機械学習手法、そして更に進んだディープラーニング手法に分けられます。機械学習手法は統計的手法を含み、さらにディープラーニング手法は機械学習手法を包含する形で位置づけられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

まず、One-Class SVMという機械学習的な手法を紹介します。One-Class SVMは、正常データのみで学習を行い、その結果得られた正常データの「領域」から逸脱するデータを異常と判断します。そして、このモデルのハイパーパラメータである正則化パラメータCが重要な役割を果たします。

 

正則化パラメータCは、SVMモデルが複雑になりすぎることを抑制し、過学習を防ぐ役割を持っています。事前分布の分散の逆数とみなすこともでき、この値が大きいほど、モデルは正常データへのフィットを重視し、小さいほどモデルは複雑さを抑制します。また、使用するカーネル関数によっても最適なCの値が変わります。

 

このCの最適な値を決定するために交差検証という手法が用いられます。交差検証では、データセットをいくつかの部分に分割し、一部を訓練データ、残りを検証データとして使用します。ここで、検証データがモデルによってどれほど正確に正常または異常と判断されるかを評価することで、モデルの汎化性能を評価します。

 

しかし、異常検知では正常データしか用いないため、伝統的な交差検証とは少し異なります。一般的には、学習に使用した正常データの一部を検証用として取り除き、取り除いたデータを正常と判断できるかどうかを評価します。このように、正常データの分布を学習し、その範囲から逸脱するデータを異常と検出する能力が、One-Class SVMなどの異常検知手法の評価基準となります。

 

以上が、異常検知についての一部です。統計的手法から始まり、機械学習、ディープラーニングへと進化を続ける異常検知の世界は、これからも監視システムやセキュリティ分野で重要な役割を果たしていくことでしょう。

 

それでは、次回もお楽しみに。パターン認識ラジオをお送りしました。




告知リンク:

https://www.youtube.com/playlist?list=PLPiQ8tB0Q233SUXcAh_FkCzNS51aN48Ud

https://youtu.be/gP7jjWApgHA

https://www.kogakuin.ac.jp/admissions/event/oc.html

https://wcci2024.org/