【本日のご質問】
訪問診療もされているたけお先生に質問です。
抗菌薬の使い方についてです。一般の外来では処方された日数は必ず飲むようにというのが常識だと思いますが、在宅では、尿路感染、誤嚥性肺炎、蜂窩織炎など(と予想し)、繰り返す症状に対してよく抗菌薬が処方され、中には3日間と服用期間が短いことや、症状がなくなったらやめていいと言うこともあります。高齢・虚弱者であることや、腎機能などとの兼ね合いや耐性菌の問題、介護力の問題など個々の事情などもあると思いますし、症状が再燃すれば再開したり抗菌薬の種類を変えたりしますが、どのように判断されているのでしょうか。また、たけお先生はエンピリック処方はされますか。
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■AI要約(誤字はご勘弁ください)
内科医たけお先生の話を要約いたします。
1. 在宅での感染症診療の難しさ
在宅診療では、感染のフォーカスを特定することが困難な場合が多く、理想的な感染症診療と現実にはギャップがあります。病院での診療とは異なり、詳細な検査や培養が困難なため、経験と知識に基づいた推測による治療(エンピリック治療)が中心となります。
2. 抗菌薬の使用方法
通常、感染症の種類によって抗菌薬の投与期間が決められていますが、在宅診療では患者の状態や介護環境などの要因により、柔軟な対応が必要となります。例えば、1日3回の服用が困難な場合は、1日1回の投与に変更するなどの工夫をします。
3. 抗菌薬選択の注意点
・ニューキノロン系抗菌薬は耐性菌の問題があるため、使用には注意が必要です。
・大腸菌の30-40%がキノロン耐性との報告があり、特に尿路感染症の治療では注意が必要です。
・ニューキノロン系抗菌薬は結核にも効果があるため、結核の発見を遅らせる可能性があります。
・緑膿菌に対する唯一の経口薬であるため、耐性化を防ぐために使用を控えめにすべきです。
4. 在宅診療での課題
・詳細な検査や培養が難しい
・患者の状態や介護環境に合わせた投薬計画の調整が必要
・耐性菌の問題や将来の治療オプションを考慮した抗菌薬選択
5. まとめ
在宅診療での感染症治療は、理想的な方法と現実的な制約のバランスを取りながら、患者個々の状況に応じた柔軟な対応が求められます。医師は経験と知識を活かしつつ、抗菌薬の適切な選択と使用に注意を払う必要があります。