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■予習の放送

《1296》『終末期』と『人生の最終段階』は同じ?違う?治療拒否権は?

https://stand.fm/episodes/68853ed8e6dcad4466e94f83

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《AI要約》誤字はご容赦!

内科医たけおです。この放送では、医療に関する質問やリクエストにお答えしています。

今回は、以前の放送でリスナーの皆様にご意見を募った「終末期と人生の最終段階の違い」および「治療拒否権」について、寄せられた多くのコメントを紹介し、私自身の見解も交えながらお話しします。

まず「終末期と人生の最終段階の違い」についてです。多くのリスナーから多様なご意見をいただきました。

全体的な傾向として、「終末期」は医療者が判断する、病気による比較的短い期間(数ヶ月程度)というイメージを持つ方が多いようです。一方で、「人生の最終段階」は、病気の有無にかかわらず本人が意識する、より長く広い期間と捉える意見が目立ちました。「終末期という言葉は一般的にはあまり使わない」という指摘もありました。

中には、「ほぼ同じ意味ではないか」と考える方や、逆に「終末期は余命と関係なく、終活と関連する言葉」と捉える方もいて、人によって解釈が大きく異なることがわかりました。

私自身の補足ですが、厚生労働省のガイドラインでも、かつては「終末期」という言葉が使われていましたが、現在は「人生の最終段階」という表現に変わっています。しかし、その「人生の最終段階」の定義も、がんのように予後がある程度予測できる場合から、心不全や老衰のように数ヶ月から数年にわたる場合まで含まれており、非常に幅が広いです。特にがん以外の疾患では予後予測が極めて難しく、明確に定義するのは困難です。

次に「治療拒否権」についてです。こちらについても、ほとんどの方が「認めるべきだ」というご意見でした。ただし、その多くが「本人に十分な説明がなされ、正しく理解している」という条件を付けています。

医療者側の視点として、「治療した方が良いのに」と思うこともありますが、治療によって本人が自分らしい最期を迎えられないと感じるのであれば、その選択は尊重されるべきだという意見もありました。

私も総論としては、治療拒否権はあって良いと考えています。しかし、実際には不適切な情報や誤解に基づいて拒否されているケースも少なくありません。例えば、昔の辛いイメージのまま透析を拒否される方もいますが、現在では状況が大きく異なっています。そのため、医療者としてはまず正しい情報を提供したい、という強い思いがあります。期間限定で治療を試す「タイムリミテッドトライアル(TLT)」という考え方も重要ですが、まだ十分に浸透していないのが現状です。

今回、非常に多くの貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。これらのテーマは定義が難しく、個人の価値観や状況によって捉え方が大きく異なる、非常に重要な問題だと再認識しました。いただいたご意見は、何らかの形でまとめて発表できればと考えています。