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日曜劇場19番目のカルテ

第3話

https://www.netflix.com/title/82072592

https://www.tbs.co.jp/19karte_tbs/story/ep3.html

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《AI要約》誤字はご容赦!

医療ドラマ「19番目のカルテ」第3話について、視聴者からのリクエストに応える形で、医療現場における意思決定プロセスを解説します。

まず、ドラマの医学的設定にはいくつかのツッコミどころがありました。咽頭がんは通常、外科ではなく耳鼻咽喉科・頭頸部外科の領域です。また、院内の他科に意見を求めることは「セカンドオピニオン」ではなく「コンサルテーション」と呼びます。患者本人だけに重要な説明をするのも現実的ではなく、通常は家族も同席します。

本題は、声を失いたくないアナウンサーが、咽頭がんの手術という唯一の選択肢を前に決断できない、という状況における医療者の対応です。医療現場での意思決定には、大きく3つのモデルがあります。

1. **パターナリズム**:医師が決定し、患者はそれに従う古いモデル。

2. **インフォームド・コンセント**:医師が説明し、患者が同意する現在の主流。

3. **SDM(共同意思決定)**:医師と患者が対話し、価値観を共有しながら共に最善策を決めるモデル。

ドラマでは、外科医が「説得」を試み、総合診療医が「対話」で患者の背景や価値観を引き出そうとしました。しかし、最も重要なのは、これらの前提となる「十分で正しい情報提供」です。今回のケースで最も欠けていたのはこの点だと感じました。インフォームド・コンセントは、正しい情報が提供されて初めて成立します。その情報が不足したまま同意を求めるのは本末転倒です。患者が正しい判断を下すためには、病状、治療法の選択肢(たとえ一つでも)、手術による声への影響の可能性、予後などについて、客観的な情報が十分に提供されなければなりません。

また、患者がネットで代替療法やサプリを調べる描写は非常に現代的でリアルでした。そうした情報に惑わされず、最終的に標準医療である手術に至った脚本は良かったと思います。本来であれば、患者が調べてきた情報も含めて医療者が対話し、正しい方向へ導くコミュニケーションが理想的です。

結論として、このドラマは医療における意思決定の難しさを描いていました。外科医の「説得」はうまくいかず、総合診療医の「対話」は重要ですが、そのどちらの土台にもなるべき「十分な情報提供」がなければ、患者は正しく判断できません。医療コミュニケーションの核心は、まず正しい情報を共有することにあるのです。