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日曜劇場19番目のカルテ

第5話

https://www.netflix.com/title/82072592

https://www.tbs.co.jp/19karte_tbs/story/ep5.html

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《AI要約》誤字はご容赦!

内科医たけお氏が、ドラマ『19番目のカルテ』第5話の感想と、作中で描かれた医療描写についての専門的考察を述べました。今回は特に、総合診療で重要な概念である「BPSモデル(生物心理社会モデル)」の扱われ方に焦点を当て、その問題点を指摘しました。

まず、ドラマ第5話のあらすじを紹介。主人公は「私、失敗しないので」が口癖の天才心臓血管外科医・茶屋坂先生。彼女は確執のある母親が急性大動脈解離で運ばれてきた際、自ら執刀し手術を成功させます。しかし、その後、彼女自身の心身の調子が悪化。その様子を心配した院長の依頼で、総合診療医の徳重先生が彼女の診察を試みるというストーリーです。

話者が最も問題視したのは、徳重先生が茶屋坂先生を診断する際に用いたBPSモデルの解釈と応用方法です。

一つ目の違和感として、モデルの訳語を挙げました。BPSモデルは通常「生物(Bio)・心理(Psycho)・社会(Social)モデル」と訳されますが、ドラマでは「肉体・精神・社会モデル」と表現されていました。「生物学的」を「肉体」と訳すと意味合いが限定的になり、「心理」を「精神」と訳すのも一般的ではないため、何らかの意図があるのか疑問を呈しました。

しかし、より深刻な問題は、そのモデルの使い方にあると指摘します。徳重先生は、茶屋坂先生の仕草から頭痛の可能性を探りますが、本人がそれを否定したため、「身体的な問題(Bio)ではない。ということは、心理的(Psycho)か社会的(Social)な問題だ」と二者択一的に結論づけました。

話者は、この考え方を「BPSモデルの根本的な誤用であり、非常に危険な思想だ」と強く批判。BPSモデルとは、生物・心理・社会の各要素を分離して考えるものではなく、これらが互いにどう影響し合っているのかを**統合的に捉えるための枠組み**であると解説しました。ある要素を否定し、残りの要素に原因を求めるという使い方は、モデルの趣旨から完全に外れています。

特に、身体的な問題(Bio)の可能性を安易に否定することは、重大な疾患の見逃しにつながる極めて危険な行為だと警鐘を鳴らします。総合診療や心療内科においては、常に身体疾患の可能性を念頭に置き続けることが鉄則です。ドラマのような診断プロセスは、BPSモデルへの誤解を招きかねない危険な描写であると述べました。

最後に、BPSモデルは心療内科医が患者の病態を多角的に理解し、仮説を立てる上でも用いる重要なツールであるとし、ドラマを通じてその正しい理解が広まることの重要性を訴えました。