その屏風を描いたのは、今も名を知るものがいるほど高名な絵師、良秀である。
男は優れた才能と醜い容姿で人々の噂によくあがる一方、その若い一人娘は器量も性格も清らかで、女房として邸の皆に愛されていた。
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原稿:芥川龍之介『地獄変』青空文庫