#23大水槽
黒トカゲの私設美術館の一番奥。そこには海藻以外何も入っていない大水槽があった。
照明に照らされた水を眺める早苗に黒蜥蜴はこの水槽の「使い方」を教えるのだった。
#24白い獣
自分の身にこれから何が待っているのか。その恐怖に気を失った早苗が次に目覚めると、そこは鉄棒で囲まれた檻の中だった。
その檻に彼女は見覚えがある。黒蜥蜴に同じく囚われている若い男が囚われていた場所だ。彼女にはそれを確認する勇気は無かった。
#25人形異変
一夜明けた早朝の黒トカゲのアジトでは、奇妙な事件が続けて起こっている。
黒トカゲの部下の一人である松公が行方不明に、そして美術館の展示品の「人形」たちが何者かによって服を着せられ宝石で飾り立てられていたのだ。
明智を海に沈めて敵がいなくなったはずの黒トカゲは不安にかられて、早苗たちの檻へと向かっていった。
原稿:江戸川乱歩『黒蜥蜴』青空文庫