Kane AD, Soar J, Armstrong RA, et al. The use of invasive arterial blood pressure monitoring in routine anaesthesia practice: an analysis from the NAP7 project. Anaesthesia. 2025 in press.
🧠 背景
英国では動脈ラインの使用が麻酔科医の裁量に委ねられており、高リスク患者への使用に一貫性がない可能性が指摘されている。特に高齢者やフレイル患者への適切なモニタリングが課題となっている。
🔬 方法
第7回英国全国麻酔監査(NAP7)の非産科手術2万例を対象に、動脈ラインの使用実態を解析。年齢、ASA分類、手術種別、Surgical Outcome Risk Tool(SORT)によるリスク別に使用率を比較した。
📊 結果
全体の10%に動脈ラインが使用。使用率は新生児で高く(22%)、高齢者では低かった(85歳以上で13%)。心臓外科では85%と高率だったが、整形外科外傷では5%と著しく低かった。SORTスコア高リスク群でも、診療科間で使用率にばらつきがみられた。
💡 考察
特に整形外科外傷や高齢者フレイル群において、動脈ラインの使用が少ないことが問題視された。現行の方針ではルーチン使用を推奨していないが、今後の研究で長期的な有用性や患者アウトカムの改善が検討される予定。
✅ まとめ
NAP7の解析により、動脈ラインの使用には年齢や診療科による不均一性があることが明らかになった。高リスク高齢者への適切なモニタリングの重要性が浮き彫りとなり、今後の臨床指針や研究に影響を与える可能性がある。