Walker M, Sobel M, Siddiqi N, et al. Implementation of enhanced recovery after surgery for caesarean delivery: a quality improvement initiative. BMJ Open Qual. 2025;14:e003391. doi:10.1136/bmjoq-2025-003391.
🧠 背景
帝王切開は世界的に増加しており、術後の回復促進と母体満足度の向上が重要な課題である。従来の管理では痛みや吐き気、授乳開始の遅れが問題とされてきた。近年、外科領域で広まる術後回復強化プログラム(ERAS)の産科版として、帝王切開に特化したERACが注目されている。
🔬 方法
カナダの大規模産科ユニットにおいて、ERACを質改善イニシアチブとして導入した。対象は予定帝王切開と緊急帝王切開を受ける計513名(導入前290名、導入後223名)であった。介入内容は、手術前教育、早期経口摂取、オピオイド削減を目的とした多剤併用鎮痛、早期離床、授乳支援を含む多職種アプローチである。
📊 結果
予定帝王切開群において、回復スコア(ObsQoR-10)は中央値74から79へ上昇し(p=0.045)、6週時点の満足度スコア(200点満点)も中央値165.5から179へ有意に改善した(p<0.001)。術後在院時間は約50時間で有意差はなく、オピオイド使用量(中央値0 MME)も大きな変化はなかった。痛みのスコアはわずかに上昇したが(中央値2から3へ)、追加オピオイドの必要率は36.7%で、導入前の43.6%から低下傾向を示した。母体感染率は3.5%で安定しており、重大な合併症の増加は認めなかった。
💡 考察
ERACは予定帝王切開において母体の回復と満足度を有意に改善し、安全性も保たれた。入院日数やオピオイド使用には大きな変化はなかったが、患者体験の質を高める効果が確認された。成功には、産科医・麻酔科医・看護師・助産師など多職種の協力体制が不可欠であった。
✅ まとめ
帝王切開におけるERAC導入は、安全性を損なうことなく回復と満足度を改善する有効な手法である。今後は緊急帝王切開にも適用可能な工夫を進めることで、母子にとってより安心できる出産体験の普及が期待される。
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