Listen

Description

Kim M, Rubright SM, Pham T, et al.Intrathecal morphine 100 µg versus 150 µg for post-cesarean delivery analgesia: a retrospective cohort study (2020–2022). Int J Obstet Anesth. 2025;62:104348. 🧠 背景
帝王切開後の鎮痛に広く用いられている脊髄内モルヒネ(ITM)は、副作用と鎮痛効果のバランスが課題となっている。モルヒネの投与量を150µgから100µgに減量することで、安全性と効果の最適なバランスが得られるかが不明であった。

🔬 方法
2020〜2022年に帝王切開を受けた3,925人を対象とした後ろ向きコホート研究を実施。ITMを100µgまたは150µg投与された患者の術後72時間以内のオピオイド使用量と副作用の発生率を比較した。

📊 結果
100µg群では術後オピオイド使用量がわずかに増加したが、150µg群と比べてかゆみ(オッズ比1.85)や吐き気(オッズ比1.65)の発生率が有意に低かった。

💡 考察100µgのITMは、副作用を大幅に抑えつつ、実用的なレベルの鎮痛を提供する可能性がある。術後の快適さや安全性を重視するケースにおいて有用な選択肢と考えられる。

まとめ
本研究は、帝王切開後の鎮痛において、100µgのITMが副作用のリスクを抑えながら、十分な効果を発揮する可能性を示した。投与量の最適化に向けた貴重な知見を提供するものである。