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Caughey AB, Sultan P, Monks DT, et al. Guidelines for intraoperative care in cesarean delivery: Enhanced RecoveryAfter Surgery Society recommendations (part 2)—2025 update. Am J Obstet Gynecol. 2025;56:1234-52.

🧠 背景帝王切開は世界中で最も多く行われている外科手術であり、術中管理の質が母体および新生児の転帰に大きく影響する。Enhanced Recovery After Surgery(ERAS)プロトコルは、回復を促進するためのエビデンスに基づいた介入を体系化したものである。2025年に改訂された本ガイドラインは、帝王切開術中の最適なケアを提供するための最新推奨を示す。

🔬 方法国際的な専門家チームによって構成された作業部会が、2017年から2024年までのランダム化比較試験および大規模観察研究を中心に文献検索を実施。GRADEシステムを用いてエビデンスの質と推奨の強さを評価し、10カテゴリー19項目の介入を選定。

📊 結果以下の10カテゴリーが強く推奨された:①患者希望による立ち会い者の同席、②術前抗菌薬(特にアジスロマイシンの追加)、③腹部・腟の術前消毒、④制吐剤の多剤併用、⑤脊髄麻酔後低血圧の予防、⑥体温維持、⑦適切な輸液管理、⑧子宮収縮薬の最適使用、⑨マルチモーダル鎮痛、⑩早期の皮膚接触。エビデンスの質は高〜非常に低まで幅があるが、すべて「強い推奨」とされた。

🤔 考察ERASの術中介入は、術後の合併症(感染、出血、悪心・嘔吐、低体温)を減少させ、痛みのコントロールを改善する可能性がある。一方で、多くの推奨は低〜中程度のエビデンスに基づいており、さらなる高品質な研究の必要性がある。✅ まとめ本ガイドラインは、帝王切開における術中管理のベストプラクティスを包括的に示しており、患者の安全と回復を最大限に高めるために重要なリソースである。臨床現場での実践に役立つ内容となっている。