「史記」を手がかりに、歴史の名場面から交渉の本質を読み解く「史記で学ぶ交渉学」第二回。今回は『鴻門の会』中編として、命がけの「謝罪交渉」についてお話します。命がけの行動が言葉に信用を与え、危機を乗り切った劉邦の行動を解説していきます。
【TODAY’S TOPICS】
◎大きな危機に陥った劉邦
・秦滅亡直後、関中に先に入った劉邦
・項羽との兵力差はおよそ10万対40万という劣勢
・劉邦の部下・曹無傷(そうむしょう)による偽りの密告
・項羽の参謀・范増(はんぞう)による「劉邦滅すべし」という進言
◎劉邦の取った行動
・百騎あまりで項羽の陣営へ直行
・「冤罪の解消」と「従う意思」の二点に絞って謝罪
→決死の行動が説得力を増す
◎日本史における同様の事例
・小田原攻めに遅参した伊達政宗と豊臣秀吉
・全身真っ白の「死装束」で現れた伊達政宗
→圧倒的不利な状況では腹をくくり、相手の軍門に下り難を逃れる
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