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日本交渉協会常務理事でありナカノ株式会社代表取締役の窪田恭史氏をゲストに迎え、「孫子の兵法で読む交渉学」シリーズは第11回へ。今回から孫子第七篇「軍争篇(ぐんそうへん)」に突入します。前回の『虚実篇』が「相手の虚を突く」なら、『軍争篇』は「その虚をどう作るか」がテーマ。重要な原理を紹介し、交渉の場づくりへ落とし込みます。「桂陵の戦い」などの歴史エピソードを手がかりに、舞台そのものを有利に組み替える「迂直の計」の考え方や「気・心理・力・変化」を制するリーダーの条件などを紹介します。 

◎窪田恭史氏のご経歴

日本交渉協会 常務理事/燮(やわらぎ)会 幹事

ナカノ株式会社 代表取締役

日本古着リサイクル輸出組合 理事長

表情分析、FACS認定コーダー

日本筆跡心理学協会 筆跡アドバイザーマスター

早稲田大学政治経済学部卒。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)でのコンサル業務を経てナカノ株式会社に入社、2024年より現職。「交渉分析」理論の日本への導入にも尽力。

【TODAY’S TOPICS】

◎迂直の計

・争地を先に取るためには「急がば回れ」の考え方が重要。

・正面衝突を避け、相手にとって重要なもの(支持、資源、時間)を奪って戦況を変える。

・事前に地形に通じ、人材をそろえ、周辺国と外交を結んでおくなど事前準備が不可欠(3D交渉と同様)

<事例紹介>

・囲魏救趙(桂陵の戦い)

 敵本隊ではなく「都(価値の源泉)」を突いて部隊を引きはがす。 

・武田信玄の旗印「風林火山」

 軍を変幻自在に動かし、敵に虚を生じさせる。

◎将軍に求められる4つの力

・気を制する:敵の士気を見極める

・心理を制する:自軍を整え、敵の乱れを待つ

・力を制する:自軍を休ませ、敵を疲れさせる

・変化を制する:自軍を自在に操り、敵の隙を突く

※原則例:高地の敵に攻め上らない/駆け下りる敵を正面から受けない/囮や敗走に釣られない/強所を突かない/包囲には「逃げ道」を残す

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お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてさらに詳しく知りたい方は、⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠「交渉アナリスト」⁠の公式サイト⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠もぜひご覧ください。