今回から3回にわたり、株式会社国際協力データサービスでセキュリティ戦略やDX推進に携わる吉山洋一氏をお迎えし、テーマ「人はなぜ騙されるのか」についてお話を伺います。初回は、コグニティブセキュリティの基礎概念と、セキュリティ専門家である吉山氏が交渉学を学ぶに至った背景についてです。
◎吉山洋一氏のご経歴
株式会社国際協力データサービスビジネスクリエーション課課長
ITコーディネータ実務研究会会員
セキュリティ戦略、組織マネジメント、新規事業開発、人材育成に携わりながら、DX推進とセキュリティ意識の改革を実践。
企業の変革支援とともに、大学ではプロジェクトマネジメントの客員講師として後進の育成にも注力している。
著書『コグニティブセキュリティ実践入門』(2025年)は、Amazon「ビジネス交渉」「ビジネスの意思決定」部門で1位を獲得。
技術では防ぎきれない“人の脆弱性”に焦点を当て、攻撃に惑わされない思考力と、対話による意思決定の重要性を解説している。
『コグニティブセキュリティ実践入門-デジタル時代の戦略的意思決定』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DSTXC5H4/
【TODAY’STOPICS】
◎セキュリティと交渉の共通項
・交渉の「判断の歪み」と攻撃の「騙しの仕組み」は同構造
・システムではなく「心の隙」を狙う攻撃が増加中
◎なぜセキュリティ専門家が交渉アナリストに?
・かつては「金・権力・恐怖」で人が動くと信じていた
・強引な手法が実生活のトラブルで機能しないと痛感
・「意思決定の質を守る」という共通課題が学びの架け橋に
◎コグニティブセキュリティとは
・コグニティブ(認知)とは、知覚や判断など正常な心の働き
・悪意ある操作から、正常な認知プロセスを守る概念
例:「損失回避バイアス」を利用し、焦りを誘発する手口
◎防御のための「RICプロセス」
・「気づく習慣」で被害を最小限にする3ステップ
①R(Really):本当に?(事実確認・一呼吸)
②I(Insight):洞察(自分の感情を観る)
③C(Counterbalance):補正(第三者確認・修正)
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お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。