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引き続き、「交渉学教科書 今を生きる術」(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)をもとに、交渉についてじっくりと皆さんと学んでいきます。今回のテーマは「対立の管理」についてです。

【TODAY’S TOPICS】

◎対立の管理とは

・対立をどう管理するかについて、プルーイットとルービンの体系を用いて解説。

・縦軸に交渉相手の成果、横軸に交渉者自身の成果をとり、5つの型に分類。

◎交渉における5つの型

・回避(相手成果:低・自身成果:低):交渉を避ける(撤退・沈黙など)

・競争(相手成果:低・自身成果:高):交渉者自身の成果を重視し、相手が従うように圧力をかける(威嚇、脅迫など)

・順応:相手成果:高・自身成果:低):相手の目標達成を優先し、自分の主張は控えめにする

・妥協(相手成果:中・自身成果:中):相手と自分の目標達成に適度に努力し、互いに譲歩し、折衷案を採用する

・問題解決(相手成果:高・自身成果:高):双方の成果を最大化する解決策を模索する(統合型)

◎交渉戦略の使い分け

・理想は「問題解決(統合型)」だが、すべての状況に適するわけではない。

・どの型も利点と欠点があるという論調になりつつある

・戦略は固定的なものではなく、交渉者の目的と論争の状況によって戦略が定まるという、不確実な方法論に変わってきている

◎5つの型に適する状況、適さない状況

・「問題解決(統合型)」

 ⇒複雑な争点がある状況/統合がより良い解決につながる状況/交渉の時間が十分にある状況/双方の資源が共同の問題解決に必要である状況には適する

 ⇒単純な問題/即決が求められる状況/相手に問題解決スキルがない状況には適さない

・「順応」

 ⇒相手にとり重要な争点である状況/自分の立場が弱いが、関係維持が非常に重要である状況には適する

 ⇒自分にとり重要な争点である状況には適さない

・「競争」

 ⇒取るに足らない争点である状況/即決が求められる状況には適する

 ⇒複雑な状況/即決の必要がない状況/部下に能力がある状況には適さない

・「回避」

 ⇒利益重視の相手と対抗する際に予測される不利益が大きい状況には適する

 ⇒自分にとり重要な争点である状況/迅速な対応の必要性がある状況には適さない

・「妥協」

 ⇒お互いの目標が相互に排他的である状況/複雑な問題の一時的解決が必要である状況には適する

 ⇒片方の力が強い状況/問題が複雑で問題解決方法論が必要な状況には適さない

◎まとめ「問題解決(統合型)」を目指しつつ、時間軸や相手の状況を考慮しながら選択する必要がある。

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お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、⁠⁠⁠⁠「交渉アナリスト」のサイト⁠⁠⁠⁠をご覧ください。