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引き続き、「交渉学教科書 今を生きる術」(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)をもとに、交渉についてじっくりと皆さんと学んでいきます。今回のテーマは「統合型交渉の戦略・戦術」です。火災時に冷静な避難行動をとれるかどうか。その違いが生死を分けるように、交渉の場でも「対立」ではなく「協力」を選べるかどうかが、結果の質を大きく変えます。

【TODAY'S TOPICS】

分配型が「取り分の奪い合い」だとすれば、統合型は「新たな選択肢の共創」。

この考えを支えるのが、次に紹介される3つの要素です。

◎統合型交渉を支える3つの戦略

・自由で開かれた情報の流れをつくる

お互いの目的や背景を共有することで、真の問題に対する建設的な対話が始まる。

・相手の真の目的を理解しようと努める

 価値観や優先順位が異なる相手の要求を尊重し、目的達成の本質をつかみにいく姿勢が重要。

・共通項を強調し、相違点を最小限にする

 交渉は譲歩合戦ではなく、「共有できるゴール」を再定義するプロセス。

 そのためには、利害にはこだわりつつも、手段には柔軟になる必要があります。

◎「強者」にとっての統合型交渉の意味

・短期的勝利は長期的損失につながることがある

 無理な要求がサプライヤーの疲弊や不正を招き、結局は自社にも損失が返ってくる。

・力関係は未来に逆転することもある

 かつて子会社だった企業が、時代の流れで親会社を救う立場になるケースもあり、今の「弱者」を軽視することは、将来的な機会を失うリスクでもある。

・良き交渉者は「未来・関係性・つながり」を見る

 お互い様の精神、そして「時間軸」と「スコープ」を広げた視点を持つことが、真の交渉力につながる。

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お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、⁠⁠⁠⁠⁠「交渉アナリスト」のサイト⁠⁠⁠⁠⁠をご覧ください。