日本の粗鋼生産は2023年現在で、世界第3位。しかも日本の鉄は品質が良く、実は「鉄づくり大国日本」なのだ。シンニチロはそんな鉄鋼業の世界で仕事をしている。事業の柱は、倉敷市のJFEスチール西日本製鉄所の「炉」の保守メンテナンス。コークス炉、高炉、製鋼の段階では不純物を取り除くフラックスという材料を自社生産し納めて、保守メンテナンスを行っているのだ。創業者の祖父が、新見の石灰山から消石灰と生石灰を生産、製鉄所の将来性を見込み、値段は安いが生石灰の生産にシフトした。その後、水島製鉄所、のちのJFEスチールの縁の下の力持ちとして炉の保守メンテ、フラックスの生産に力を注ぎシンニチロの屋台骨を作っていく。
30代で2代目を継承、「倉敷の炉を守る」と言い切る奥山社長に、その心意気をインタビュー。