「過去は変わる。全然変わるの。」
そう断言する一人の男性がいます。多くの人が「過去は変えられない」と諦める中、彼は空港の案内板がパタパタと変わるように、すべての過去をポジティブに書き換えてしまうのです。
甲子園を夢見ていた野球少年が、なぜリーゼントパーマをかけてソフトボール部に入り、国体選手になったのか。そして就職活動もせずに入った会社で、なぜ取締役まで上り詰めることができたのか。その答えは、彼が持つ独特の人生哲学にありました。
1.野球少年がリーゼントでソフトボール国体選手に?!
甲子園を夢見ていた一人の野球少年がいました。しかし高校に入学する頃、時代は不良ブーム真っ盛り。横浜銀蝿やシャネルズに憧れた彼は、野球部に入って坊主頭になることよりも、リーゼントパーマをかけることを選んだのです。
そんな彼が見つけたのが、なんと「男子ソフトボール部」でした。
野球に似ているけれど、髪の毛を伸ばしていてもいい。
真面目な高校生だった彼は、憧れのリーゼントパーマをかけながらも成績優秀で、ソフトボールでも才能を発揮します。そしてついに、千葉県選抜として国体出場という快挙を成し遂げました。行進で手を振る自分の姿が、今でも鮮明に記憶に残っているそうです。
2.お風呂なし→トイレ付き→完備→彼女欲しい!「大学生の立身出世の夢」
大学時代は、まさに昭和の青春そのものでした。
最初はお風呂なし、トイレ共同の下宿からスタート。でも彼には明確な夢がありました。「立身出世」という、今では死語になってしまった言葉を純粋に信じていた時代です。
2年生でトイレ付きの部屋。
3年生でついにお風呂もトイレも完備した部屋を手に入れます。
そして今度は「彼女が欲しい」と、段階的にステップアップしていく大学生活。現代のように最初から満たされていない時代だからこそ、一つ一つの成長に純粋な喜びを感じることができたのです。
彼はこれを「立身出世の夢」と表現し、その輝かしい思い出が今でも走馬灯のように蘇ってくると語ります。
3.悪魔のささやきがくれた最適解
そして4年生。就職活動の季節がやってきます。マスコミやテレビ局への憧れはあったものの、何十社も回って挫折を味わうのは嫌だと思っていた時、またしても「悪魔のささやき」が現れました。高校時代の大学推薦に続いて、今度はゼミの教授からの紹介です。
「佐藤君、金融系会社はどう?」
金融業界なんて全く興味がなかったのに、「まあ、いいかな」という軽い気持ちで就職活動もせずに入社。それが現在の取締役という地位につながったのです。
当時は「推薦なんか受けなければ、もっといい大学に入れたのに」「もっとちゃんと就職活動していれば、もっとすごい企業に入れたのに」と思う時期もありました。
しかし今振り返ると、「人生万事塞翁が馬」。
すべてが最適解だったと確信しています。
大手企業に勤める友人たちを見ていると、50歳を過ぎれば出向の現実が待っています。どんなに楽しくても、残りの10年間を屈辱的な思いで過ごす可能性が高い。そう考えると、教授の「悪魔のささやき」に素直に従ったあの判断は、まさに大正解だったのです。
会社からは様々な投資をしてもらい、海外研修なども経験し、多くのことを学ぶ機会に恵まれました。そして何より、自分なりの「逆転の美学」を身につけることができたのです。
4.過去は変えられる――全部ポジティブに書き換える人生哲学
この物語の真の魅力は、彼の独特な人生哲学にあります。
「過去は変わる。全然変わるの」
多くの人が過去を後悔する中、彼は「過去なんてそもそもない。あるのは捉え方や記憶だけ」と断言します。そして捉え方を変えれば、「過去なんてゴロゴロゴロゴロ全部ポジティブに変わっていく」のです。
あの時振られた彼女への憎しみも、今では「振ってくれたから今の家族ができた。すごいありがたかった」に変わります。
空港の案内板がパタパタと変わるように、すべての過去がオッケーサインに変わっていく。この発想の転換こそが、彼の人生を輝かせ続ける原動力なのです。
5.誰も褒めてくれない大人へ――“大人の通信簿”がくれる成長の力
さらに興味深いのは、彼が持つ「大人の通信簿」という概念です。
郷ひろみをアイドルとして掲げ、「他人と比べても無意味。つまらない優越感しか生まれない」という信念を持ちながらも、実は心の奥底で「大人の通信簿」を求め続けています。
「誰も褒めてくれない大人になったけれど、僕の中でやっぱり通信簿っていう概念がずっとあって、いい通信簿を取りたい」
この純粋な気持ちが、彼を常に成長させ、新しい挑戦へと向かわせるのです。人から「ダンディだね」と言われることを「おじさんみたいで嫌」と言いながらも、それが自分への評価だと受け取り、さらに磨きをかけていく。
「常に今がピークなんだよ。それを更新していってるの。どんどんどんどん」
だからこそ、暗い過去も全部明るく思える。今の自分に5をつけられるから、今を肯定できるのです。
昔の写真を見せて「かっこいいだろう」と自慢する先輩を見て感じた違和感から、「今を見てもらって、今かっこいいって言ってもらう方がいい」という哲学が生まれました。
この男性の人生は、現代を生きる多くの人にとって大きな示唆を与えてくれます。挫折を恐れることの意外な効用、過去の捉え方を変える力、そして「大人の通信簿」を求める純粋な気持ちの大切さ。
6.「毎日がハッピーバースデー」を実践する人生哲学
雨の日曜日の夜。
5歳の少年は窓際に膝をついて外を眺めていました。曇った窓ガラスに一滴の雨水が右上から左下へとすーっと流れ、窓を二分割したその瞬間、彼は悟ったのです。「人は死ぬんだな」と。
それから小学校まで続いた死の恐怖。
特に日曜の夜、テレビが終わる時間になると死ぬことばかり考えてしまう少年は、やがて一つの答えにたどり着きました。
「100歳まで心も体も元気良くかっこよく家族と幸せにいる」という人生の目標です。
これは、野球少年からリーゼント国体選手、そして現在は取締役まで上り詰めた一人の男性の、30分間にわたる人生の全てを語った物語です。
7.影を見るだけで生まれ変わる男の秘密
毎朝、ジムでトレーニングを終えてサウナに入り、髭を剃ってシャンプーを済ませる。そして洋服を着替えて飯田橋駅へと向かう途中、アスファルトに映った自分のシュッとした影を見た瞬間、彼は思うのです。「ああ、また生まれ変わった」と。
これが彼の言う「毎日がハッピーバースデー」の正体でした。
筋トレで充実感を得て、サウナで汗を流して代謝を良くし、身だしなみを整えて颯爽と歩く。その影を見るだけで、毎日新しい自分に生まれ変わったという実感を得られるのです。
8.「株式会社自分」の経営哲学
「大半の人は赤字決算で年を重ねている。どんどん負債が増えて、それは経営努力してないから」
彼が語るのは、人生を「株式会社自分」として経営するという革新的な考え方です。
キャリアという陳腐な言葉ではなく、自分という会社をどう経営していくか。赤字にならなければいい、黒字なら最高だと割り切る潔さがありました。
そして彼は「大人の通信簿」を常に意識しています。
誰も褒めてくれない大人になったけれど、心の奥底では「いい通信簿を取りたい」という純粋な気持ちを持ち続けている。だからこそ、常に自分を磨き、新しい挑戦を続けているのです。
10.マンダラチャートで描く100歳への道のり
大谷翔平が作ったマンダラチャートを使って、真ん中に「100歳まで」を目標に設定。周りに8個、その周りにさらに8個ずつ、全部で64個の項目を埋めて、時々見直しながら評価しています。
「言ってるだけじゃ無理だよね。100歳で元気にかっこよくなって。そのためにやっぱり構成するものを一個一個やっていかないと」
この計画性と実行力が、彼を常に成長させ続けているのです。
11.家族への感謝と自己受容
しかし、彼は決して完璧な人間ではありません。家のことは妻に任せきりで、大学生のような一人下宿人状態。DIYなどの家庭的なことは一切できない。それでも彼は自分の限界を受け入れ、家族への感謝を忘れません。
「そういう家族との接し方を犠牲にしてる部分もある。いいことばっかりじゃ実際はないよね。でもそれを分かるようにしてるから、また感謝できるし」
この自己受容と感謝の気持ちが、彼をより魅力的にしているのかもしれません。
あなたの人生も変わる30分間
昭和から令和まで生き抜いた一人の男性の証言は、現代を生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます。
「満たされた」現代では味わえない、純粋な向上心と成長への渇望。
そして何より、「運命」や「縁」を信じることの大切さを教えてくれるのです。
そして何より、5歳で感じた死の恐怖を100歳への目標に変え、毎朝の影を見るだけで生まれ変わりを実感する。過去を全てポジティブに変換し、「大人の通信簿」を求めて常に成長し続ける。
この30分間の物語は、あなたの人生観を必ず変えるでしょう。人生に迷いを感じている方、過去を後悔している方、自分の可能性を信じたい方。そして何より、毎日を生き生きと過ごしたい方にとって、この男性の人生哲学は宝物のような示唆に満ちています。
「今がピーク。それを更新していってるの。どんどんどんどん」
そう語る彼の声には、確固たる自信と温かい人間味が溢れています。
きっとあなたも「毎日がハッピーバースデー」の意味を理解し、明日からの生き方が変わるはずです。