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Description

日本のフランス料理文化の礎を築いた先駆者がいます。
平松博利(ひらまつ・ひろとし)。
今から37年前の1982年、パリから帰国した彼は、東京・西麻布に小さなレストランを開業します。
「ひらまつ亭」。
席数は、わずか24席。でも、平松の圧倒的なフランス料理の腕と妻の温かいホスピタリティに、噂が噂を呼び、行列が絶えない伝説の店になりました。
以来、彼の躍進は続き、国内外にレストランを展開。
2002年には、パリに出店した店が日本人オーナーシェフとして初めて「ミシュラン」一つ星を獲得したのです。
フランスに基盤を持つことで得た人脈。
持ち前の人間力で出会いは拡がり、多くのフランス人シェフとの交流が始まります。
ポール・ボキューズ、マーク・エーベルラン、ジャックとローラン・プルセルとの業務提携が実現。

特に、昨年亡くなったフランス料理の巨匠、ポール・ボキューズは平松を「息子」のように可愛がり、パーティに列席すれば、必ず彼を隣に座らせました。
ボキューズは、自分の師匠であるフランス料理の神様、フェルナン・ポワンのこんな言葉を平松に話しました。
「若者よ、故郷へ帰れ! その街の市場に行き、その街のひとに料理を作れ」
そしてもうひとつ、こんな教えも平松は継承します。
「腕の良い料理人というものは自分が学び取ったもの、すなわち自分の個人的な経験で得たあらゆるものを、自分のあとに続く世代に伝える義務がある」

後進に伝える、後進を育てる、後進の夢を実現する。
そのために彼は、シェフ・平松であり、経営者・平松にもなり、大切なひとを守るという正義を貫く覚悟を持ったのです。
フランス料理のみならず、フランス文化を日本に根付かせた賢人・平松博利が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?