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WBC、ワールド・ベースボール・クラシックの記憶もそのままに、二刀流・大谷翔平の活躍は連日、ニュースをにぎわせています。
オオタニの偉業が報じられることで、再び、その伝説がクローズアップされているメジャーリーガーがいます。
ベーブ・ルース。
今年、没後75年を迎える彼の本名は、ジョージ・ハーマン・ルース・ジュニア。
ベーブは、ベイビーから来たニックネーム。
童顔、子どものように邪気がない笑顔、子どものようにやんちゃで、常識知らず。
ぷっくり太った体型も、ベーブという愛称にピッタリでした。
「子ども」というのは、ある意味、彼のキーワードかもしれません。
無類の子ども好き。
ベーブ・ルースは、デビューした当時から、球場に来た子どもたちにホットドッグをご馳走するなど、特別に、大切にしてきました。
子どもたちもまた、いつも彼のまわりに集まり、背中を叩いたり、お腹の肉をつまんだりして、ふざけあい、でも、試合になると、いきなりホームランをかっとばしてスタジアムから賞賛を浴びるベーブを、特別な大人として尊敬したのです。
メジャーリーグを代表する超有名選手になり、多忙になっても、ベーブは、養護施設や孤児院を足しげく訪れ、靴をプレゼントしたり、サインをしたり、抱き上げ、ハグを繰り返しました。
それは売名行為ではないかと揶揄されたこともありましたが、すぐに見当違いであるとわかりました。
どんな有名新聞やカリスマ雑誌のインタビューより、彼が子どもとの時間を優先したからです。
その姿は、球場で子どもたちが差し出すボールに丁寧にサインする、大谷翔平にかぶります。
ベーブ・ルースは、親の愛をほとんど知らずに育ちました。
7歳から、まるで捨てられるように全寮制の矯正学校に入れられ、家族の団欒を経験することがなかったのです。
そんな彼が、子どもたちに、常に言い続けたこと。
それは「できないと最初に言うな。なんでもできる、まずは、そこから始めるんだ」という言葉でした。
貧しさと孤独の淵からスポーツ界のレジェンドになったメジャーリーガー、ベーブ・ルースが人生でつかんだ、明日へのyes!とは?