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京町家シリーズ。
ついに古民家設計室に入塾‥という話。
【あらすじ】
現役リフォームプランナー・寸尺かんなが、京町家リフォーム現場で、なぜ京都に長期滞在することにしたのかと、伝統工法を学びながら工事を進める難しさを語ります。
今回の京町家案件が動き出してから、京都に通う日々が始まり、気づけば約3週間。大阪の仕事も並行しながら、基本は京都の知人宅に泊めてもらい、職人は安宿に滞在してもらう形で現場を回しています。通勤でも行ける距離なのに、あえて“どっぷり京都に入る”選択をしたのは、本物の京町家が持つ歴史や文化の空気感は、現場の中だけ見ていても掴めないと直感したからでした。
これまで京都での仕事経験はあっても、扱ってきたのはマンションや築20〜30年の戸建てリフォームが中心。ところが今回、解体で姿を現したのは「本物の京町家の骨格」。これは表面だけ整える普通のリフォームではなく、ちゃんと向き合わないといけない——そう感じて、京都という街の中に身を置くことにしました。
そしてその判断が、思わぬご縁につながります。滞在先の友人は建築の専門家ではないものの、京都大学工学部建築学科に関係者が多く、建築家ネットワークが濃い人。そのつながりから、京町家の保存・再生に関わり、若手や建築関係者に京町家の知恵を伝える活動をしている“京町家の専門家”を紹介してもらえました。
正直「厳しくダメ出しされたらどうしよう」と緊張していたのですが、現場を見た反応は意外にも「まあまあ良いんじゃない?」。大きく否定されることはなく、これから注意すべきポイントや、京町家ならではの考え方を具体的に教えてもらいました。さらにその流れで一緒に酒席へ。専門家も友人も酒豪で、私はただ呆然としつつも、濃い話をたくさん聞くことになります。
その後、専門家が破格の値段で開催している京町家の設計塾の存在を知り、即入塾。
受講者は建築家、職人など実務寄りの人たちが中心で、まさに今の自分に必要な学びの場でした。ネット検索や動画だけでは入ってこない、京都の現場知・経験則がそこにはありました。
話の中で印象的だったのは、現代的な耐震診断について「やって悪いことはないが、伝統工法の価値を測る物差しとしては限定的」という指摘。そして京町家・伝統工法の基本は「木と木を組む」ことで、金物を使わないこと。木と金属は相性が悪く、錆や劣化も含めて長期視点では課題が出る——そんな現場目線の言葉に、背筋が伸びました。
また、自然素材の意味も腑に落ちました。土壁は呼吸し、調湿・消臭・断熱にも寄与する。解体で見えたのは、幕末以前の古い部分は素材として大きく傷んでいない一方、昭和の増築部分はシロアリや腐朽が進んでいたこと。本物の素材でつくられた京町家は「数百年残す前提」で成立している——その差が、現場で実感として分かったのです。
だからこそ、石膏ボード+ビニールクロスで覆う“量産型リフォーム”は避けたい。とはいえ予算は有限で、天然素材(無垢材、土、焼杉など)や、腕の良い左官職人を確保することは簡単ではありません。理想論ではなく、施主の予算内で「いま可能な最善」を組み立てる。その挑戦が始まっています。

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