【6月、虹の予感】
雨の音で目が覚めた。
6月の朝は、まだ少し眠たげな空をしている。
窓を打つ雨粒は、トトトンとリズムを刻みながら、世界を静かに洗っていた。
今日はきっと、特別なことは何も起きない。
でもそれが、ほんの少し嬉しかった。
雨の匂いは、昨日のざわめきをやわらかく包みこみ、
濡れた葉っぱは光を受けて、まるで宝石のようにきらりとまばゆい。
憂鬱なんて、たぶん思い込みだ。
6月の雨は、心を立ち止まらせてくれる優しさでもある。
冷たいようであたたかい、静かなようでにぎやかな。
雨は、そんなふうにして、今日という日をゆっくり始めさせてくれる。
気づけば、空が少し明るくなっていた。
やがて、雲のすき間から光が差し込み、
空にはうっすらと虹がかかる。
誰に見せるでもなく、ただ空にある虹。
その存在が、なぜだかとてもありがたく感じられる。
努力も計画もないまま、そっと現れて、そっと消えていく。
でも確かに、そこにあった。
今日も、ちゃんと世界は回ってる。
雨も、虹も、6月も、すべてが「今だけ」の贈りもの。
理由はなくていい。ただ、静かに微笑みたくなる。
それだけで、もう十分だと思った。
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